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品種の話題

 蓮は植物学の分類ではハス属Nelumboにハス科Nelumbonaceae1つのみ認められ、原種はアジアで

ハスと認識されている紅・白のN.lucifela、アメリカのキバナハスN.lutea、ロシアで発見されたカスピカムN.caspicumの3系統が現在知られています。カスピカムはルキフェラの変種(var.)として認知されています。

人為的に交配させたり、野生の状態から自然交雑した実から生まれた新品種の蓮には整理番号が付けられ、「通称名」も考案されます。有名無名のものを合わせると、蓮の品種総数は膨大な数になります。

タネから生長した蓮の個体は「実生 みしょう」と呼ばれます。

実生の蓮は親とは違う新しい品種になってしまうので、きちんと管理しないと品種の混乱を招きます。

「蓮の品種数は全部で×××品種あります」と断言できないのが現状です。

 新しい品種たちは素晴らしい特徴を持っていても、公表後に亡くなってしまうケースや、固定したと思われていたのに品種の特徴が変化して、一度付けた通称名を別の名前に替えるケースも出てきます。「通称名」というのは、正式に登録された「品種名」とは事情が違います。

さらに、ひとつの品種が複数の違う名前で呼ばれる事も多いです。

 中国の新品種(写真左から2番目)には、花弁が淡い黄緑色になっているものまであります。

白蓮の仲間は、ガクの色が緑色だったり花弁の一部がほんのり緑色を帯びて見えるため、この緑色が

碧(ヘキまたはアオ)と呼ばれます。××アオハス、××碧蓮と呼ばれる品種はほとんどが白い花の白蓮です。紅蓮のなかにも「碧」の名を持つ品種が相当数あり、これは宝玉のイメージ?だと思われます。

また、ひとつの花に紅と白がくっきり分かれたように出るケースを「咲き分け」と呼び、現代でもまれに出現します。これは特定の品種ではなく「突然変異」です。

 他にも花弁数が1000枚を超える「千弁蓮」(写真右から1番目)や、1本の茎に2本の花がつく「並帯蓮」、1本の茎に3本の花がつく「品字蓮」などがあります。これらは花托が退化しているので結実しません。蓮根だけで増やします。

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