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​蓮は何色?什蓮什色

  蓮の花は何色あるでしょう。紅色・ピンク・白・黄色が有名ですが、現代ではヴァリエーションが増えています。

中国の古文献には、信じがたい奇抜な蓮の表現も見つかります。

しかし、中国では昔から菊・牡丹・蘭などの品種にも「蓮の字」を付けてきたので、文献上「蓮の字がつく植物」でも本物の蓮とは限りません。

こんな色の蓮が書かれてるけど、ほんとかなぁ…と疑問を持ったら、実態は蓮以外の植物だと思っていいと思います。

 日本の文献にも謎めいた蓮の記録が散見します。

突然変異で実在したものが、保存されずにそのまま消滅した可能性があります。

現在分類できる蓮の花色は以下のようになります。

【紫紅】紅蓮の蕾は、紫を帯びる事がある。撮影時は晴天で、光線の具合とは思えない。

【紅】紅蓮と呼ばれる事が多い。蕾の時は、蕾の一部が赤紫を帯びています。開花初日は鮮やかで

2日目以降色あせて薄紅やピンクになります。色相的にはレッドではなく、赤紫のマゼンタ系になります。マゼンタという語が昔には無かったので赤い蓮・くれないの蓮と呼ばれてきました。

【桃~ピンク】濃いピンクから淡いピンクまで幅があり、中国では「粉=ピン」と呼びます。粉はおしろいの意味。

【黄紅】花弁の地色は黄色で、花弁先が紅色だったり、花弁に紅色の筋が入ります。アメリカ産のキバナハスと、アジア産の紅または桃色蓮との人工交配で生まれました。屈光性があります。

【濃黄~黄】濃い黄色はアメリカ産野生種と、中国生まれの黄蓮花が知られます。日本では栽培が難しい。淡い黄色の品種は日・中・米で多数作られています。

【黄白】淡い黄色・白に近いクリーム色などを指すと思います。

【白】花は白ですが、ガクが緑色だったり、蕾が緑色を帯びていたりして「アオく見える」事から、アオハス、青蓮、碧蓮と呼ばれてきました。アオには青・碧の2通りありますが、青のほうは「真っ青なブルーの蓮が実在しないため」青と緑の意味を兼ねた「碧」のほうが無難だと思います。

「青蓮華」という名詞や形容詞はインドの睡蓮や、仏典に出てくる浄土の蓮の種類として有名になりました。仏典に出てくる青蓮華は仏・菩薩・天女・美男美女の涼しい目の形容であり、正確には睡蓮です。

【緑】近年、中国が開発した新しい蓮の色で、花弁全体が淡い黄緑色。全体にうっすらと緑色を帯びた白蓮よりも、緑色が強く出ている感じ。

【爪紅】花の地色が白で、花弁の先端部だけが紅色の蓮。白蓮でも、先端だけわずかに紅が入る品種があり、蕾の一部が桃色を帯びる白蓮もあります。

【まだら】地色が白で、花弁のふちなどに紅色が少しずつ入っている蓮。

【咲き分け】ひとつの花を染め分けたようなケース。紅白2色のケースが知られ、出現率はまれ。

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